アイウィル 社員教育 研修日程

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2014年2月号「講師控え室 60

 

私の身近に、強烈な個性を持つ男がいる。その男は確固たる信念を持ち、何物にもその信念は揺り動かせない。たとえ大地震があっても「大したことはない」と動じない。

その男に、いつも社会人としての在り方を問われている。ひょんな言葉にも「お前は感性がない」「気配りが足りない」と厳しい言葉を並べる。時には理不尽に感じることもあり、「なぜそこまで言われなければならないのか」と思うこともある。

他人に厳しく接するこの男、他人だけではない、自分にも厳しい。細かいところまで目が届く。誰も気づかないようなところにこだわる。妥協しない。部下がミスをすれば、容赦なく叱責する。何度も何度も指摘する。立ち直れなくなるのではと思うほどしつこく追及する。

そうかと思えば、陽気な一面も持ち合わせている。自分がピエロになることを厭わず、会社の行事では場を明るくするために先頭に立ってはしゃぐ。

そのメリハリは、天と地ほどはっきりしている。

それでいて神経質である。一生懸命自分を作り、実は周りのことをつぶさに観察し、今自分が何をすべきかを瞬時に判断し、行動に移す。スキがあるようでまるでスキがない。理論家で、理に適わないことは、とことん追求する。あいまいなこと、だらしがないことが許せないのだ。

ある時、私が仕事に行き詰って泣き言を言った。なぐさめてもらいたかった。その男はこう言った。

「お前が傷ついて落ち込めば、俺が優しい言葉をかけるとでも思ったか?俺はそんなことはしない。それで潰れれば、お前はそれまでの人間だったということだ。しかし、お前が成長しなければ俺が困る。お前が上司やお客様から悪く言われれば俺が悔しい。だから俺は言い続ける」

その言葉をもらった時、思わず涙が流れた。悔し涙であり、嬉し涙でもある。当時私は三十三歳だったが、三十三年生きてきて、ここまで心に突き刺さる言葉をもらったのは初めてだ。

部下が潰れてしまうのではないかと思うほど、触れられたくない核心部分にも容赦なく入り込む。同じミスをしたら雷を落とす。だがそれだけでは人はついてこない。この男は部下の成長を心から願っている。部下が努力していい結果を出せば自分のことのように喜び誉める。部下に仕事を任せ、責任はすべて自分が持つ。そうやって、部下に自信をつけさせる。

私はこの男になら一生ついていける。いやついていく。その男の名は、兼頭康二。アイウィル主任講師であり、尊敬する偉大な先輩であり、理想の本物の鬼上司である。(横谷大輔