アイウィル 社員教育 研修日程

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2015年2月号「講師控え室 72

 

アイウィルの東京コースの研修所の食堂に、無人の飲み物売場ができた。普通の業務用冷蔵庫。ガラス張りで中が見え、鍵はかけられていない。全商品百円で、備えられた箱に買う人がお金を入れるシステムである。

研修生はもとより、講師にも好評だった。ロビーや食堂の外にも自動販売機はあるが、缶ジュースが百三十円、ペットボトルが百六十円と値引きなしの金額。研修中は喉が渇くので何本も買う。無人販売機はお買い得である。

しかし、いつの間にかその無人販売の冷蔵庫がなくなっていた。食堂のおじさんに聞いてみた。

「あれはやめました。実は最近、中国からの旅行者がこの施設をホテルとして使うようになりまして…お金を払わずに持って行っちゃうんですよ」

無人販売は日本独特のシステムである。よく見かけるのは、野菜の無人販売所だ。畑のそばで農家が設置している。購入者は設置された箱などにお金を入れて野菜をもらっていく。

本当にお金を払って買っているかどうか、誰も見ている人はいない。お互いの信頼があってこそ成り立つものである。

日本ではこれが当たり前。

その当たり前も外国人にとっては驚愕のシステムであるらしい。インターネットには数多くの賞讃の声が連なる。

「信じられない」

「すばらしいコミュニティの証」

「日本人の正直さは世界でトップレベルだ」

この無人販売は、日本が世界に誇る最高の文化である。

中国人の旅行者は無人販売のシステムを知らなかったのかもしれない。しかしそれは良心的な解釈である。なぜなら、お金を入れる箱には中国語で「百円元」(中国語で百円)と書いてある。無料ドリンクではないことは一目瞭然である。

多くの外国人が無人販売システムに感動、感激の声をあげている。しかし中国人は「バカ正直もいいとこだ」と考えるらしい。

食堂のおじさんが言う。「セルフサービスで料理の小皿をお盆に載せる。中国人は同じものを二つも三つも取る。人数分出しているのに数が足りなくなる。人のことなど全く考えない。エゴイストだ。中国人はお断りしたいね」

赤サンゴの蜜漁。ドロボー国家である。

「日本だって三十年前はノーキョーやオバサン集団が外国で顰蹙を買ったではないか」と言われたら一言もない。“衣食足って礼辱を知る”というが、中国人が日本人と同じ国民性の持ち主なら三十年後は道徳を身につけた紳士淑女になるかもしれないが。(浜中孝之