アイウィル 社員教育 研修日程

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2016年6月号「講師控え室 88

 

学生時代、部活の練習中に後輩の女生徒が、過呼吸になった。走った後のインターバルで呼吸が乱れ、うまく息を吐けなくなる。

『過呼吸』とは呼吸が乱れ苦しくなる状態のこと。過換気症候群とも言う。ストレスや外的要因などが原因で呼吸が乱れ苦しくなり、普段通り息をすることが困難になってしまう。息苦しさから普段よりも呼吸が大きくなり、それにより血液中の二酸化炭素濃度が低くなることで、さまざまな症状を起こす。めまいを感じたり、手足や口の周りのしびれを感じることもある。「このままでは死んでしまうのでは」という不安に駆られることにより余計に苦しい状態が続く。しかし十分?三十分ほどで大抵は症状がおさまる。

常日頃から不安を抱えている人に過呼吸発作が起きるケースが多い。慢性的に不安や不満、怒りや精神的に緊張している状態が続いている人への発症が多く見られる。

過呼吸とは元来、「不安な気持ち」「緊張や恐怖感」、これらが突然襲ってきた際に、精神的なストレスが大きくなることで引き起こされてしまう。

過呼吸の発作が起きてしまった時は、呼吸を整えることが大切。深呼吸をする必要はなく、浅くてもいいからゆっくりと呼吸することが大事。しばらく経てば自然と治る。救急車で運ばれて病院に着くころには、すでにほとんど回復しているというケースも珍しくない。そのため発作を起こしたとしても「しばらくすれば必ず治まるから大丈夫」と思う気持ちが大切。

過呼吸は身体的な異常で生じるものではないため、身体の異常は何もない。原因は精神的ストレスによる自律神経系の異常である。そして過呼吸発作は息が吸えないのではなく、吸えない「感覚」に襲われているだけなのだ。救急外来に運ばれてきた過呼吸発作の患者の酸素濃度を測定すると、全ての症例で酸素濃度は正常以上を保てている。

練習中に過呼吸になった後輩も、十分から十五分で落ち着いた。その後、少し休ませて元気に練習に復帰した。知識がなければ焦ってパニックになっていただろう。しかし体育大の人間の集まりだったため、周りが落ち着いて対処した。発作を起こした人間を落ち着かせることに力を入れた。精神的なものが原因であるため、本人を安心させることが大事と皆解っていた。

最近では研修の中でも、過呼吸になる人がいる。いつもとは違う環境で慣れないことをするため、ストレスから引き起こすことがある。若い女性に多い。その時は、落ち着かせることに力を入れ、少し休ませて安心させる。そうすればすぐ元気になる。(兼頭康二