アイウィル 社員教育 研修日程

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2016年11月号「講師控え室 92

 

『上司が鬼とならねば部下は動かず』

アイウィル主宰染谷和巳の代名詞とも言える代表著書であり、発売から約十五年経った今も読まれ続けているベストセラーである。

最近改めてこの本を読み返し、アイウィル研修の根幹がつまった本だと再確認した。

新聞の広告でこの本を知ったのは、実はアイウィル入社前。まだ前職の時に初めてこの本のタイトルを目にした。広告は鬼の字を大きく強調してまがまがしかった。

当時二五歳の私はただ「厳しそうな本だな」と思っただけで読む気にはならなかった。

その年の秋。私はアイウィルの採用試験と面接を受けた。今度は求人広告に「『上司が鬼とならねば部下は動かず』の著者が主宰する社員研修」の文字があった。

私の最終面接は現専務(当時常務)の畠山だった。話が終わると畠山は一冊の本を私の前に置いた。

「この本を読んで、男の職場としてこの会社を選ぶなら、明後日までに連絡をください」と畠山は言った。

染谷和巳の本は確かに厳しい。しかし、私は抵抗を感じることはなかった。会社なら、経営者なら当然こう考えると思った。文章は解りやすく、説得力があり、心にスッと入っきた。

その日の夜、両親にアイウィル入社の意向を伝えた。ちょうど明後日に最終面接を受ける予定のある条件のいい他社のことも話した。

私は「教育の会社だから、何より自分の勉強になると思うから」と両親に伝えた。父も「まだ規模は小さいが、将来性がある」と賛成してくれた。

翌日、私はアイウィルに「お世話になります。よろしくお願いします」と伝えた。

その日から十五年がたった。

アイウィルのお客様にも、入社した社員がすぐ辞めるという悩みを持つ社長は多い。社長の考えと合わないから、会社のルールが厳しいと両親が反対したから辞める。あるいは軍隊調のアイウィル研修に行けというなら辞めると言う社員もいる。

人不足で中小企業は新人採用が難しい。採用経費はうなぎのぼりである。そんな事情は関係ないというのか、新人はあっさり辞める。すぐ辞める。

社長に勧める。面接の最後に、私が畠山にされたように「この『上司が鬼とならねば部下は動かず』という本には、うちの会社の考え方が書かれています。この本を読んで『この会社で頑張ってみよう』と覚悟が決まったら入社してください」と言ったらどうだろうか。

内定辞退者が出るかもしれないが、入社した人は辞めないだろう。(小川宏