アイウィル 社員教育 研修日程

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2017年5月号「講師控え室 98

 

第三ステップの完成合宿、最後のスピーチ審査でその研修生はこう言った。

「私は七年後までに、社長の座を奪い取り、これから二十年三十年と会社を発展させていきます!!」

気迫に満ちたスピーチだった。熱意が伝わってきた。

言葉には強い力がある。「やります」「します」と、言い切ったことは実現する可能性が高くなる。逆に、「?したいと思います」「?するつもりです」「?できるように頑張ります」などと言っているうちは、実現する可能性が低い。弱い言葉の後には言い訳がくる。「?したいと思ったけどできなかった」「?するつもりだったけど?だった」などとなる。決意した時点で、必ず実行するという強い想いがあるかないかが言葉に現れる。

政治家などはよく「最善の努力をして参る所存でございます」などと意味のない言葉で飾って意思をぼやかす。できなかった時に何を言われるかわからないから、最初から「やります」などと言わない。責任を逃れるためだ。

サッカー日本代表の本田圭佑が、小学生の時に「セリエAに入団します。そしてレギュラーになって、10番で活躍します」と書いた。将来の夢である。彼はその通り、イタリアのセリエAのチームに入団し、背番号10をつけた。

「?するつもり」などと言っているうちは、本気でやる気がない。どこかに逃げの姿勢がある。できないかもしれない、という弱い気持ちがある。

結果としてうまくいかないこともある。しかし、最初から逃げの姿勢では失敗の確率が高くなる。「絶対にやる!!」という強い想いを持って取り組むのと、そうでないのでは明らかに結果は変わってくる。

オリンピックに出る選手やプロのスポーツの世界では、自分に暗示をかける。「俺はできる」「やれる」「勝てる」という強い気持ちを持つためにメンタルトレーニングをする。言葉は心を動かし心を鍛える力がある。

完成合宿で「社長の座を奪い取る」と言った研修生は、必ずやるだろう。年は二十三歳、自分が三十歳になるまでに父親から社長を任せてもらえる男になると決意した。自覚と強い決意がビンビン伝わってきた。そしてこの研修生は他の年上の人よりも鋭い目をしていた。いい表情をしていた。

研修では徹頭徹尾研修生の語尾を直す。「したいと思います」と言えば、「します」と直す。クセになっているので多くの人が何度も言い直しをさせられる。こうして少しずつ意思を強くする。強く言い切れば、変化成長の可能性が高くなるのだ。(兼頭康二