アイウィル 社員教育 研修日程

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2018年3月号「講師控え室 107

 

体操の審査で研修生が脚にケガをした。

珍しいケースである。歩くことも満足にできず、松葉杖を使い歩行することになってしまった。

もちろん研修は続けることができず、その研修生は研修を中止。途中で断念することになった。

研修生は悔しがった。「続けたいです」と語った。しかし松葉杖をつき、歩行は困難。周囲に迷惑をかける。「皆に申し訳ない」と研修中止を決意した。

「上司と話してもう一度チャンスをもらいます」と頭を下げて研修所を後にした。

その研修生は五十七歳。研修中、「私は間もなく定年です」と体操をやっている最中も、「体が動かない」と苦笑いしながらも皆と同じペースで下まで膝を曲げ、腰を下げ、屈伸を行っていた。若い人に引けを取らない動きをしていた。自分の体力の限界まで出し、必死に取り組んでいた。号令も顔を真っ赤にして大きい声を出していた。

体操を行う前に膝や腰を痛めている人、それが持病になっている人はいないか、毎回確認する。問題ある人には無理をせず、「自分のできる範囲でやってください」と言う。

脚腰に問題ないのに、屈伸で下まで下げるのが辛いからやらない研修生には、しっかり腰を下げるように指導する。健康な研修生に「無理をしないでください」とは言わない。

ケガをしたこの研修生に対して、年齢が高いからという理由で「無理するな」と言うことはなかった。固い体を必死に動かし手を抜くことのない素晴らしい研修生だった。そんな研修生が、自分の意志に反して研修を中止しなければならなかったことは非常に残念なことだったろう。

ケガや病気はなりたくてなる人はいない。なってしまったら仕方がない。しかし、未然に防ぐ方法はいくらでもあるはずだ。

アイウィルの体操はラジオ体操と違い、動きが激しい。ラジオ体操は他の運動の準備になるだろうが、アイウィル体操はそれ自体が運動になる。

普段運動をしていない人にとってみれば負担がかかる。動かしていなかった体を動かすので研修初日から筋肉が悲鳴をあげる。どれだけ自分が運動をしてこなかったかを痛感する。

研修でケガ人が出る。ならばケガをしないように無理をさせなければいいのか。私は緩くするつもりはない。緩くして研修生に楽をさせたら、得るものが得られなくなってしまう。

アイウィル体操をする前に、ストレッチをして固まっている筋肉を十分ほぐし柔らかくするなど、ケガを未然に防ぐ対策をとり、これからも変わらぬ指導を続ける。(緑川摂也