アイウィル 社員教育 研修日程

染谷和巳の『経営管理講座』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

 

「経営管理講座 349」   染谷和巳

 

 

有言実行研修に至る

経営管理講座

 

この六月で満三十年。アイウィルは「低成長優良(?)企業」のモデルにふさわしい年月を重ねてきた。低成長のコツは〝儲ける〟を考えないことである。研修という商品がいくつかあるがみな、お客様の「こういうのをやってくれないか」という要望に〝仕方なく〟応えてできたものである。

 

 

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教育の本質は自己啓発である

 

国が「人作り改革」や「人材育成」を標榜〈ひょうぼう〉するのはいいことである。

資源のない日本のような小国の唯一の資源は人である。昔から日本は教育に力を入れてきた。教育勅語にも「世世その美をなせるはこれ我が国体の精華にして、教育の淵源〈えんげん〉また実にここに存す」とある。

日本が軍事強国として世界の大国と肩を並べることができたのも、経済大国として世界中から一目置かれる国になれたのも、よく教育された人材とよく教育された勤勉な兵士や労働者が大量に存在したからである。これは大国といわれる米英仏やロシアと比べても遜色ない。いや技術者層などの人材の粒揃いという点では世界でトップクラスと言えるだろう。

ところで政府の人作りの具体策は学校の授業料の無償化、貧しい子への教育費の援助などで、「そうだ」と拍手できるモノではない。

教育はいつの時代もどこの国も本質は同じである。

曽野綾子が書いている。

「教育はまず親がするものだ。さらに学校が教えなかったら彼らを雇った企業が教えることだ。しかし教育の本質は『独学』である。独りでは心許なかったら書物がある。若い人たちは読書をしなくなったから、貧相な人間になった」(産経新聞一月一日正論)

家庭で親が子に行うしつけ教育、学校で行う読み書き計算の基礎教育。これが教育の土台でここができていなければ会社がそれを行うべしと曽野は言う。

独学つまり自己啓発できる基盤を作るのが家庭教育と学校教育、そして社員教育である。この基盤ができれば論文を読んで専門分野の知識を得ることができるし、文学や歴史の本を読んで人間性を高めることもできる。

貧相な人とは人間性に欠ける人である。曽野は言う。

「ごく単純な人間性を失うと何もできない。政治はもちろん、会社経営も小さな商いも、芸術も遊びさえも楽しい結果を生まない」

貧相な人ばかりなら国が貧しくなる。だから国は〝教育〟に力を入れると言っている。そして教育の本質は自己啓発(独学)できる人を作ることである。ここにピントを当てなければ人作りは失敗に終わる。今のところ国の教育改革は成功の見込み0%、税金のムダ遣いに終わるのが目に見えている。

ではどうすればいいか。

立派な図書館をたくさん作っても本を読む人は増えない。

読書をする人は読み書き計算の基礎能力が身についていて自ら自分が読みたい本を選ぶ人である。書店で本を選ぶ人は本のおもしろさ、本がためになることを知っている人である。

スポーツ、芸術と同じである。自ら時間とエネルギーを投じて向上しようと思うようになるには、そこに至るまでの練習、稽古が欠かせない。型を身につける、手法を覚える。見よう見まねで繰り返しやってみる。練習試合で勝ち負けを体験する。この段階を経ることによってその事に本気で取り組む意欲がわいてくる。

読書も同じ。小さい時から強制して読ませること。強制しなくても自分で本を求めるレベルまで〝教育〟するのである。

小学校で読書の時間を取っているところがあると聞く。それが正道である。小中学校の国語の時間を増やし、その何割かを読書とその感想文の作成に当てる。また読書の宿題を出す。家ではゲームを止めさせて読書の時間にする。

曽野綾子の言を借りるまでもなく、アイウィルは教育の本道を歩んでいる。政府が行う人作りは大金のばらまき、ではなく、民間の小研修会社のように豊かな人間性を備えた人を作るために、自己啓発によって自分を成長させることができる基礎力の向上である。

 

 

お客様に頼まれて尻を上げる

 

思えばアイウィルが研修を始めたのも仕方なくであった。

当初は社員教育用の録音教材や教育マンガを商品とする出版社だった。現在専務の畠山が仲間に入れてくれと願い出た。畠山は文章能力もあるがそれ以上に講師能力がある。そこで六ヵ月間管理者能力養成研修を始めた。畠山がいなければ研修はしなかった。

「十八ヵ月間経営者養成研修」は、平成の初めに今はなき㈱金馬社の高濱正明社長から息子二人に「後継者教育をしてくれ」と頼まれたのがきっかけである。二人には申し訳なかったが、「こんな課題がいいのでは」と思いつきで宿題を出し、効果のないものは即切り捨て、㈱H&Kの亀井民治社長など成功社長が行っていることをそのまま課題にすることによって結果を出した。

二人の研修が終わる頃、高濱社長は二人の成長を心から感謝してくれた。それに自信を得てすぐに商品化、改良に改良を重ね現在に至っている。

経営者養成研修第八期卒業(平成十一年九月)のヘイコーパック㈱の鈴木健夫社長から「うちの管理者クラスには十八ヵ月は重い。六ヵ月間管理者養成研修修了生のフォローになる次のステップを作ってくれないか」と頼まれた。

この要望に応えて「六ヵ月間統率力養成研修」が生まれた。研修修了生のフォローという目的は二〇%と薄くなり、〝指導力〟を包括する〝統率力〟というより大きい能力を伸ばすユニークな研修として現在に至っている。

毎年一回九月に開催されている「二泊三日経営幹部特別研修」もお客様の要望による。

「数年で退職する六十代のベテラン社員に六ヵ月間研修はもったいない。せめて研修を受けてきた若手に水をかけるようなマイナスの言動はしてほしくない。同じ研修を受ければ若手を理解し応援するようになる。三日間の合宿研修だけで終わる研修をやってほしい」

この研修は一社研修もあったので昨年九月に三〇回を迎えた。

そして「有言実行研修」。

大阪のユーザーY社社長から、「合宿ではなく社内で月一回の一日研修を一年間してくれないか」と依頼された。

初めてのケースだが引き受けた。畠山専務と兼頭教育部長、坂口・浜中主任講師が中心になって中身を作った。年間十二回、毎月一回十時から十七時まで行うコースを「幹部パワーアップ研修」という名称で開始した。

これは他社にも需要があるのではと、名称を「有言実行研修」と改めお客様に案内したところ、「こういう研修を待っていた」と茨城の冠婚葬祭業のI社、北見市の建設会社M社、横浜の赤い袋の焼き立てパンのP社、大阪のT社、愛知の精密部品メーカーT社とつぎつぎ話がまとまり、千葉のS社グループが研修に出ていない管理部門の従業員を含めて拠点ごとに十五名ずつ百六十余名を一気に行う話も進んでいる。

またまたお客様の要望から新商品が生まれた。

研究開発に人員やお金を投入できないアイウィルのような零細小企業は、お客様の声に耳を傾けて、お客様が本当に求めているものを察知するしかない。

これによって、新しい需要を見つけ、新しい商品を作り出すしかないのである。

右肩上がりで、十年二十年で中堅企業あるいは大企業になる会社もある。当社のように低空ヨタヨタ飛行は、ほめられたことではない。しかし、こうして三十年間生き永らえてきたことに少し価値があるのではないだろうか。

ともあれ、Y社の「幹部パワーアップ研修」のおかげで新しい研修が誕生した。ありがとうございます。

 

 

毎月一回年間十二日間の研修

 

有言実行研修は何をするのか。

毎月一つのメインテーマを設け、集中講義する(たとえば一月のY社での第八回は染谷和巳が「上司が鬼とならねば部下は動かず」のテーマで講義した)。それに基づく具体的な行動目標を研修生一人ひとりが口に出して発表し、紙に書き、一ヵ月間継続して実行する。その成果は次回研修でふりかえり、評価確認する。

また、一つの同一課題について一回三~四枚の自分の考えを記入したレポートを提出してもらい、意識の向上をはかる。

この研修はアイウィルの研修修了生よりも未受講者の人間性を高めるうえで効果がある。

個人主義で労働者意識が強く、礼儀や挨拶などどうでもいいと言う人に参加してもらうとより効果が上がる。

毎月一回、午前九時から十六時まで。主任講師と助手の二名で一年間実施する。

社内の意思統一は社長の強い願いである。強制や画一化を嫌う現在は、個人の自由が最大限に許されていてそれが難しい。

有言実行研修は社長が社内で行う意思統一教育のバックアップに適している。