アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2019年1月号「講師控え室 117

 

朝食を摂らない日本人が増えている。

合宿で研修生と朝食を摂る。食が進まない人がいる。聞くと「普段は食べない」という。周りから「実は私も」と声が挙がる。私の分析では研修生の四人に一人は朝食を抜いているだろう。

有名な経営者の中に「朝食抜きが習慣になっている」という人がいる。

実際、この人を見習って自分も朝食をやめたという人もいる。

それで八十歳まで健康、病気らしい病気をしたことがないと言う。こういう話を聞くと「別段朝食を摂らなくてもいいのではないか」と思う。

厚生労働省による平成二十九年国民調査・栄養調査結果では朝食の欠食状況は男性一五・〇パーセント、女性一〇・二パーセントである。年齢別に見ると二十代がもっとも多い。それぞれ男性が約三〇パーセント、女性が約二三パーセントだった。

一方、見過ごせないのは未成年の場合。発育に関わる。小学生の約一〇パーセントが満足な朝食を摂っていない。学校の先生が子どもに聞いて分かった数字。ここで認識の差を加える。ポテトチップを食べただけで朝食を摂っていると思う子もいる。菓子では朝食と認めがたい。

朝食の必要性、その役割とは何か。健康な骨、臓器、関節、皮膚などの体を作る。健康な目や耳などの五感と脳を作る。つまり大人になるための身体作り、これが最も大事な朝食の役割である。例の朝食抜きの経営者も幼児期や十代の頃はきちんと朝食を摂っていたはずである。そうでなければ頑健で丈夫な体、耐力のある体はできない。この他朝食の役割は家族間のコミュニケーション機会、家族への帰属意識保持、学習意欲向上などが挙げられる。

たとえば学習効果にも差が出る。文部科学省による平成二十五年全国学力・学習状況調査(学力調査)では、朝食摂取と学力問題の平均正答率は密接な関係にあることが分かる。小六国語Aでは毎日食べる人は七一・五パーセント。食べていない人は五四・二パーセント。算数Aでは毎日食べる人は七六・七パーセント、食べていない人は五八・四パーセント。朝食を摂るほうが学習面で優れる。

先ほどの学習効果と絡めて考えたい。朝食を抜く子の平均正答率低下には集中力欠如と学習意欲減退が考えられる。

食事による摂取エネルギーの五分の一は脳の活動につかわれる。食事は体温を上げる効果もある。食事を抜くならば、無自覚にしてマイナス効果を招いていることを頭に入れておこう。

大人も同様である。仕事に向かう意欲に関わり、悪い影響を与える可能性が高い。(正木元