アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2020年3月号「講師控え室 130

 

一年間に亘る有言実行研修のプログラム。初回に「部門の問題点摘出」というディスカッションとグループワークの時間がある。

同じ会社の同じ部門、もしくは違う部門の人たちでグループになって集まり、職場の問題点を探す。最終的にそれを個人個人で改善させていくことが目的である。

二十分間という短い時間内で、十五個以上の問題点をグループで探し出す。三?四人のグループで考えてもらうのだが、これがなかなかうまくいかない。問題点が頭に思い浮かばず、意見が出てこない。見つかっても「人が足らない」「活気がない」「目標が達成できない」といった、大雑把な問題点しか出てこないのである。

なんとか十五個以上摘出した後で、今度はここからまた考えさせる。「抽象的表現、会社への不満、会社に丸投げしてしまうような、自分たちの力では解決しないものは選択から外してください」と講師は促す。ここまで考えてもらうと、ようやく問題点の本質が浮かび上がってくる。

職場、部門の問題点を見つけられない理由は何か。普段何も考えずに「作業」をしているからである。「もっとよい方法はないか」「もっと早いやり方は」「もっと品質を高められないか」このことを考えながら仕事をしている人が少ない。仕事ではなく、思考停止の作業になってしまっている。これが問題点を見つけられない理由である。

実は、問題点というものは本当は誰もが見つけたくない。問題点を見つけてしまうと、自分の無能をさらけ出すことになるし、そのうえ改善するための策を講じなければならず、考えるのが面倒くさい。仕事を増やして自分の首を絞めてしまうと思う。これが問題点を見つけられない、いや見つけたくない理由である。

見つけたくないのだから、普段の仕事の中で改善など進むはずがない。だから会社はQC活動や研修を行って、考えさせ、無理やり問題点に目を向けさせる。

今までカイゼンというものに関心がなく(むしろ避けてきた)、着手もしてこなかったため、研修の中でも問題点克服は当然苦労する。日々当たり前のように過ごしてきた職場環境だから、さらに新しい問題点を探そうと思うと、目を凝らさなければ発見もできない。

考えて仕事をする習慣を作る。習慣をよい方向に変えるためには、毎日無理やりにでもその意識を持ち、行動することである。はじめは違和感を覚えるだろうが、六ヵ月も経てば問題発見の習慣が身につくはずである。(浜中孝之