アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2020年8月号「講師控え室 134

 

合宿研修の開所式で近松商会の近松社長が挨拶をした。内容はZ旗を引用した激励。

Z旗とは国際信号旗の文字旗の一つ。「引き船を求める。投網中である」が単独の意味である。

しかし、日本において特別な意味も持っている。日露戦争時にロシアのバルチック艦隊を破った際に旗艦・三笠が掲げていたのがZ旗だった。Z(ゼット)はアルファベットの最後の文字。「これ以上の後はない。負けは許されない」とこの場合は意訳される。このZ旗に込められた思いが成就する。日本は日本海海戦では歴史的大勝利を収めることができた。以後、Z旗は絶対勝利として使われている。

『皇国ノ興廃、此ノ一戦ニアリ。各員一層奮励努力セヨ』は東郷平八郎、秋山真之が発したとされる。語り継がれる有名な言葉にして、今も通ずるだろう。

近松社長の挨拶には皆が心を震わされた。圧巻はまだ続く。近松社長が研修に参加した自社社員の鈴木さんにZ旗の説明の後半を託した。鈴木さんはよどみなく説明を続けられたのだ。日本企業での使用例を交えて。その時の堂堂たる姿は見事。感心させられた。

これは私は推測である。近松社長は社員の鈴木さんにZ旗の話を何度もしたのであろう。また教える機会を何度も作ったにちがいない。

経営者は労働者に仕事を持たせる。持たせるのは仕事だけではない。志も持たせる。どのような志で仕事に就いてほしいのか。自社の社員には自分と同じ志を持ってもらいたいと思っている。そこで活用されるのが社員の教育。社長一人では社会に貢献できないのだ。

だから見事だった。近松社長の教育を受け、鈴木さんは志をともにしていた。同志になっていた。

あなたの会社には同志が何人いるだろうか。社員全員が社長と同じ志ならば心強い。あなたの会社の組織は盤石といえる。

コロナウイルスによる全世界の経済活動が停滞。企業の規模を問わずに経営は悪化した。

個の力では感染拡大を防げなかったように、国民全員で社会を立て直していかなければならない。会社は社員全員で支えていくのだ。社員は社長と同じ志を持つのだ。

昨年と同じ意識レベルで働こうとするならば、あなたは後悔することになる。悪い流れを断ち切れず路頭に迷う。

また今までの世界のパワーバランスが崩れつつある。優勢を保つには今が肝心。どうか楽だけを求めるなかれ。

日本人よ、皇国の興廃はこの一戦にあり。各員一層奮励努力せよ。(正木元