アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2019年3月号「講師控え室 119

 

「小学生以下のお子様連れのお客さま、入店お断り致します」

これは飲食店に貼り出されているお知らせの貼紙である。最近、こういう貼紙を入口に掲げている飲食店が増えている。先日テレビ番組でも取りあげていたが、経営者に理由を聞いてみると、子供が店内を走り回ったり、騒いだり、他の利用客に迷惑をかけるケースが多いからだそうだ。

また子供が騒いでいること以上に、親が注意しないことを嘆いている。自分の子供が他の人に迷惑をかけていても、親は会話に没頭していたり、スマートフォンをいじっていたり、何も言わずそのままにしている。問題は最近の親にある。

注意しない理由には、「人前で注意するのが恥ずかしい」「注意して子供が泣いたら大変」などと言っている。他にも「ウチは声を荒げて叱るなどしない」「虐待と思われたくない」などと言う親もいる。

世の中では『パワハラ』などとよく問題にされているが、親が子供にしつけをすることと、パワハラを一緒にするバカな親が増えている。世の中全体がパワハラの空気に侵されている今、注意できない、叱ることができない、しつけができない親が増えている。子供を野放しにして、「伸び伸び育ってほしい」などと勘違いしている。

子供がダメなことをしていたら、注意して教える。時には引っぱたいて叱る。礼儀やマナー、人に迷惑をかけない、親がしつけをするのが当たり前。

この当たり前が、当たり前ではなくなってきている。

保育園で「しつけの時間」を作っているところもあると、テレビで特集されていた。返事の練習をしたり、靴を揃えさせたり、立つ前にイスを机に入れるなど、どうしてそれをしなければならないのかも教えている。保育園の先生も言う。「子供がダメなことをしていたら、ちゃんと親が叱ってほしい」。

この保育園の子供達は返事や挨拶をしっかりしていた。レストランで走り回ったり、騒いだりしてはなぜいけないのかも「他の人に迷惑をかけるから」と、ちゃんと答えていた。

ただ、こんなことが特集になることが驚きである。昔は学校の先生だって、子供を叱り、しつけをしていた。世の中全体が、親も先生も近所の大人も、子供達にダメなことを「ダメだ!」と教えていた。保育園でしつけをはじめた、こんなことは特集にならなかった。

注意されず、叱られることもなく育った子供が社会に出て、上司から叱られただけで「パワハラ」と声をあげる。それが空気となる。日本の空気はどこまで汚れていくのか。(兼頭康二