アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2019年8月号「講師控え室 124

 

入社して三?四ヵ月が経過した新入社員。今年は十連休という大型連休をも経験しているせいか、すでに転職を考えている人も多いのではないだろうか。

今年の新入社員は、呼びかけには忠実に応えるが、就業時間が終わると仕事を断る「タイマー付きAIスピーカー」と揶揄〈やゆ〉されている。

ある会社が実施した「新入社員の意識調査」によると、仕事とプライベートの予定が重なった場合どちらを優先させるか、という質問に「仕事優先」と答えた人が六六・四%で過去最低の数字だという。

就職先を選ぶ基準も「自分が働きたい業種」は減少し、逆に「休日が多い」「残業がない・少ない」が増加傾向にある。ワーク・ライフ・バランスを重視する新入社員の気質が表れている。

アイウィルの新入社員研修で、通信教育のレポート内に以下のような事例に対して、自分の考えを論ずる課題がある。

「時々、上司に『飲もう』と誘われるが、窮屈でおもしろくないので断っている」。

正解は「否」で考えを導き出して欲しい問題であるが、「賛成」の回答が増加していると感じる。

プライベートの時間まで拘束されたくない、酒が飲めないので無理矢理参加しても楽しくない、仕事の時間が終わっているのだから自分の時間を拘束されたくない等の理由が出てくる。

我々が新入社員だった頃の「飲みニケーション」は通用しないのであろうか。お酒の場だと普段、公の場では伝えにくいことも伝えやすくなる。また上司や先輩方の普段と違った面が見られて、コミュニケーションが図りやすくなる、人間関係がよくなる等メリットは多い。

しかし、自分中心で育ってきている新入社員にとっては、会社や仕事よりまず自分なのである。そして煩わしいことには、極力かかわりたくないのである。

一時期、草食男子という言葉がはやったが、今は男女問わず草食人間が増加中なのだ。出世を望まず、ハードワークは避け、居心地のよい空間や時間を求め続けフワフワしている。

せっかく何かの縁で今の会社に入社できたのだから、今はその道を極めるための努力をして欲しい。アリとキリギリスのように、今が楽しければいいというキリギリスのような生活を送っていく人の末路は暗い。

と、これを教訓に締めようとしたら外野の新人から大きい声。

「遊び人のキリギリスが働き者のアリをこき使って大金持ちになる時代だぞ。勤勉倹約じゃないんだ、ITだ、アイディアだ。仮想通貨だ、ははは」。この悪魔の声に従えばやがて人の心が壊れて滅びる。
坂口英生