アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2019年12月号「講師控え室 127

 

出張中、三組の親子を見かけた。

一組目。ホテルの大浴場にて。湯船で子供が泳いでいる。水しぶきが上がっている。親子以外で客は私ともう一人。父親は目の前で湯につかっている。子供に対して何も言わない。子供の水しぶきがかかった男性がたまらず「泳ぐな!」と一喝した。父親は怪訝な目で男性を見て、そそくさと子を連れて外に出た。

二組目。電車にて。比較的空いている車内。子供は走り回っている。連れの友達と騒いでいる。母親はママ友と話に夢中。一人の母親は子供を叱ったが、もう一人の母親は、何も言わない。悪びれもせず、再び会話。

三組目。空港にて。子供は騒ぎ回る。椅子の上に靴で立つ。母親の注意など聞く耳を持たない。そのうち母親も諦めて注意しなくなった。その時、父親が子供の頬を引っぱたき、「座れ」と強く叱責した。子供は泣きそうになりながら席についた。

本来であれば、三組目の父親があるべき姿。引っぱたいてでも、他人の迷惑になることをやめさせる。子供はこうして「公共の場で騒いではいけない」「親の言うことを聞く」を学ぶ。

一組目の父子は男の剣幕に恐れをなして逃げ出した。その父親は注意者に反抗的。「すみません」と謝りもしない。

二組目の母親は親として最低のパターン。

しかし来年からは、三組目の立派な父親の行為は犯罪になる。改正児童虐待防止法が成立し、来年四月から施行されるからだ。

親が子をしつけるのは当たり前。ましてや公共の場で他人の迷惑になる行為を見過ごすなど、もってのほか。時には引っぱたいて痛い思いをさせることも必要。他人が引っぱたいたら問題になる可能性もあるが、昔は近所にカミナリオヤジがいたが、オヤジが昔のようにやれば〝犯罪者〟になるので絶滅した。

近年、虐待による児童の死亡が増えている。東京都目黒区や千葉県野田市で起こった悲惨な事件が記憶に新しい。それを受けて、虐待防止法を強化した。

本当にそれで犯罪が減るのか。大いに疑問。痛みを知らない、恐さを知らない人間が増えやしないか。「しつけは学校で」という無責任な親が増えやしないか。歪んだ教育やしつけにより、ますます犯罪が増えやしないか。

子供がかわいそうである。道徳心を教えこまれず、人とのつき合い方も知らず、社会に放り出されることになるのだから。

必要なことは二つ。一つは親の教育。ゆとり教育世代にメスを入れる必要がある。もう一つは教師の再訓練。この二つが正常化への道だ。(横谷大輔