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コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2020年7月号「講師控え室 133

 

新型コロナウイルスの影響で、私たちは様々な制限を余儀なくされている。倒産する企業も出てきた。

生活にも大きな我慢が必要。身体的にも精神的にもストレスがかかる。家庭環境にも影響を及ぼしている。緊急事態宣言は解除されたが、四月五月の二ヵ月間は厳しかった。休業要請や外出自粛要請など、行動に制限もかかった。

しかしあくまでも「要請」であり「強制」ではない。従わなくても罰せられることはなかった。ここで問題になるのが、指示命令の重要性である。

今のご時世にかかわらず、指示命令がきちんとなされていないと下は動かない。動けない。それは指示命令の大小は関係ない。重要度もしかり。言った言わないの水掛け論は、言った側に責任がある。

能力の低い上司や管理者は、指示命令が抽象的。あるいは他人任せ。「察しろ」「常識だろう」「言わなくてもわかるだろう」と言う。それで自分の思惑どおりに動いていないと文句を言う。下につく人間は路頭に迷う。不信感を抱く。

能力の高い上司や管理者は、的確に指示を出す。指示したことを記録に残す。質問には正確に答える。具体性を示す。下は動きやすくなる。

指示命令は、組織を動かすために必要不可欠な要素。言わば動脈。ここが詰まれば組織は動かない。崩壊する。近年は指示命令がお願い口調に変わり、下の人間が勘違いする。本来の機能が低下している企業が増えている。しかし、指示命令を司る上司の機能が低下してきていることも見逃してはいけない。

指示命令は、言わば?啄同時〈そったくどうじ〉。指示命令を出す側と受ける側の双方が機能していないと意味がない。出す側に関しては、指示命令を毅然とした態度で出すべきである。具体的に、数字を使い、わかりやすく。そして記録に残す。

指示命令は仕事であり、部下の指示命令不履行は自分の責任であることを肝に銘じる。そして部下にもわからせる。受ける側は、指示命令を受け、実行することが仕事と認識する。わからないことは質問し、メモに残し、復唱して正確に把握。

働き方改革やパワハラ防止法により、生産性の悪い世の中になってしまった。だからこそ、効率良く仕事を進めるには、指示命令がスムーズに流れることが必要なのだ。

行政に文句を言うつもりはない。しかし、命令なのか、指示なのか、要請なのか、義務なのか、はっきりさせるべきである。秩序のない人間がいるということは、秩序を生む機能が正常でないということ。今だからこそ必要である。(横谷大輔