アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2021年2月号「講師控え室 140

 

ノートパソコンを壊した。自宅、会社、出張先、どこにでも持ち出していた大切な仕事道具。

出張先で昼食を摂る際、パソコンを収めているバッグを落としてしまった。床から六十センチ程度だったろうか。外傷はなかった。宿泊のホテルでパソコンを起動した時に故障と分かった。液晶モニターが割れていた。画面の五分の四が黒色と灰色で占める。画面が見づらいため、思い通りにカーソル操作ができない。修理を決断した。

パソコンを修理に出すことには納得。故障したことには納得ができなかった。手から離した程度の高さから落として液晶モニターが割れるのか。パソコン用バッグにも収めていた。それで壊れるのか。狭量の心は認めるが、この先に訪れる不便を受け入れることができなかった。

不便とは何か。仕事が捗らないということ。講師は出張を除けばリモートワーク。出社はほぼない(流行りの感染防止のためである)。研修で迷惑をかけるからと出社を止められている。会社以外の場もパソコンが必要となる。

通信レポートは手書きで行うが、他の仕事はパソコンでの入力が伴う。研修資料の作成、データ管理、報告書や評価表までパソコンを介した作業が必要だ。

代わりのパソコンを使えば問題はないが、壊したパソコンに入っているデータがないことには困った。USBメモリなどにデータを移そうとした。自力で敵わなかった。ネットワークサーバー上にデータを残していたならば…。

後の祭り。横着者は故障なんて事態を想定しない。

しくじりをして学んだことはあった。リスク管理と危機管理どちらも等しくしておくべきということだ。

リスク管理とは、想定される悪い事象が起こらないように防止策を講じること。パソコンバッグを持つのではなくスーツケースに収納すべきだった。手持ちだったのはパソコンを落とさないだろうと高を括っていたから。またデスク以外の場でパソコンを取り出してはいけなかった。

危機管理とは、悪い事象が起きた後、悪化しないようにする管理。また復旧対応のこと。危機の前後をふまえて考えるわけだが、壊れたことを考えるならばネットワークサーバーにデータを残しておくべきだった。また携帯電話につなぐ接続ケーブルを持参してもよかった。

何かが起きる前、何かが起きた後、どちらも考えたらキリがない。しかし、昨年から全世界でウイルスが猛威をふるい、終息せず今年も対応に追われている。感染者が増え続けている。私たちはリスクと危機を管理するのが苦手なのだ。(正木元