アイウィル 社員教育 研修日程

 

コラム『講師控え室』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

2021年8月号「講師控え室 146

 

アイウィルの通信教材には今後、「本日の名言」という項目が追加予定である。一日一ページの課題を解いていくと、末尾に研修生を応援する一言が書き添えられている。

この発案者、ならびに選定者は、経営者養成研修・有言実行研修で文章力の講義を担当する酒井正子である。『月刊ヤアーッ』のぶんぶんぶんの執筆者でもある。

格言・名言というものは世の中にあふれかえっていて、偉人や著名人が残した言葉とされるものはそれこそ数えきれないほどある。松下幸之助や稲盛和夫の言葉もあれば、スポーツ界、芸能界、音楽界や文芸界など、あらゆる分野で活躍した人々の言葉も選出されている。その中でどれが好きかとたずねると、「俺が妻と結婚したのは、妻の笑顔を長い時間見たいから」だと酒井は答えた。タレントの所ジョージ氏の言葉である。

言葉は力だから、人を傷つけることもあれば強くすることもある。忘れられない一言が、人生の支えとなる一言になる。

私の忘れられない言葉は二つ。

一つは、高校時代の恩師から贈られた言葉「愚公、山を移す」中国戦国時代の書物『列子』にある説話である。愚公が家の前にある山を邪魔に思い、山を崩して別の場所に移そうとした。それを見た周囲の人々は笑い者にしたが、愚公は子々孫々続ければいつかは成功すると答えた。それを聞いた天帝は感じ入って、一夜で山を移させたという物語である。

卒業アルバムに書き添えてくれたはなむけの言葉は、それから十五年の歳月を経ても色あせない。

もう一つは、小林賢太郎氏の言葉。劇作家であり、自ら演出も出演もおこなう。国際文化交流のためにパリやモナコで公演した際には、自分の肩書きを「パフォーミング・アーティスト」と称した。

コロナ禍のなかで、二〇二〇年の実現は叶わなかった東京オリンピック・パラリンピック。このうち、パラリンピックの閉会式の演出担当だったのが彼だ。幻の閉会式となってしまった。

「ゼロからイチは作れなくても、もがき苦しめば〇・一は作れる。それを十回繰り返せばいいんですよ。…そうやって作っています」。

偶然にも、私を支えている言葉は二つとも、「どんなに困難なことでも努力を続ければ、やがては成就する」という意味である。今の私の仕事に通ずるものがあり、山を崩したり〇・一を積み上げるように、一歩一歩進めば実を結ぶのだと思う。

あなたの忘れられない言葉はどんな言葉だろう。飾らない一言こそ、人の心を強く打つものである。(坂本利江子