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<畠山裕介の新刊>

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畠山裕介の『人と話の交差点』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

 

「人と話の交差点 317」  畠山裕介

 

ナンバー2は女性にかぎる?

 

-ナンバー2(44)-

 

前号で、北条政子は稀代の「女丈夫」と書いた。政子は夫を補佐して、歴史を作り変えた。

野に遺賢あり。無名ではあるが、偉い女性も世にはいる。

一人はNさん。脱サラして人材派遣業を始めた夫を持つ。自宅兼事務所で育児のかたわら、経理や総務の仕事を手伝う清楚な奥様である。

夫は先見の明があった。事業は短期間で急激に拡大した。わずか六?七人で始めた会社は、三年の間に百人規模の所帯になった。

北陸の各地に拠点を置き、責任者を任命して運営を任せた。お金の管理も任せた。これが仇となった。

水面下で横領や着服が行われていた。お客をごっそり奪い、とんづらした古参幹部もいた。

社長は幹部を呼びつけ、一人ひとりの胸ぐらをつかみ、「おまえもか!」「きさまも裏切り者か!」と吊し上げた。

組織はがたがたになった。社長は人間不信に陥り、仕事に身が入らなくなった。

夫の落魄を黙って見ていた妻が、しびれを切らして言った。

「男は外でカネ稼いで来てなんぼのもんじゃ。いやか? そんなら私が働きに出る。あんたひとりぐらい養ったる。そのかわり、あんた私のパンツ洗われ!」

強烈な一撃であった。このひとことで、社長は目が醒めた。

もう一人。弊社の元常務の貝津静枝。

三〇余年前、アイウィル創業に参画。主宰染谷とは、前職時から上司と部下だった。

「営業を頼む」とだけ染谷は言った。それだけである。あとはすべて自分で考え、自分で行動し、数字を作ってきた。

お金の大きな流れや小さな動きもすべて把握していた。銀行から融資を受ける時も「○○○万借ります」の報告のみ。「大丈夫か?」「大丈夫ですよ」「わかった、任せる」

三〇年間いっしょに仕事をしてきた。染谷が仕事上の打合せ以外で貝津にこと細かく指示を出す姿をほとんど見たことがない。

染谷は貝津の言うことやることを信じ抜いていたのである。一度貝津不在の酒席で、染谷が言った台詞が忘れられない。

「オレは金のことで悩んだ経験がない。幸せなトップだ。常務のおかげだよ」

貝津はなぜ誤らなかったか。

すべての言動が〝トップのためによかれ〟で徹底していた。私心のかけらもなかった。「一〇階建ての、自前の本社ビルを作る」が貝津の夢だった。これだけは叶わなかった。だが、それはもののたとえである。

本心は、染谷を日本一の社員教育開発者に仕立てあげることにあった。これはほぼ成功した。