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<畠山裕介の新刊>

畠山裕介の最新刊『仕事を決める和文力』
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『仕事を決める和文力』
人の心を動かす文章を書く方法とは

畠山裕介の『人と話の交差点』

 

人材育成の新聞『ヤアーッ』より

 

「人と話の交差点 311」  畠山裕介

 

日露戦争の英雄

 

-ナンバー2(38)-

 

極東の小さな島国日本が、世界で最強のロシア軍に勝った。有色人種が初めて白人を倒した。世界中が仰天した。日露戦争である。

この戦争を勝利に導いた最大の立役者が、海軍作戦参謀・秋山真之〈さねゆき〉である。日本海海戦で、無敵のバルチック艦隊を全滅させた天才である。

開戦時、秋山の上司であった連合艦隊参謀長・島村速雄〈はやお〉は、秋山のことを、次のように語っている。

「日本海海戦に至るまでの作戦とその遂行は全て秋山の頭から出て、その手で立案され、それは常に即座に東郷長官(平八郎・連合艦隊司令長官)の承認を得たのであります。……秋山はその頭の中に、滾々と湧いて尽きざる天才の泉というものを持っていました」

当時ロシアは中国の旅順港に太平洋艦隊を持っていた。そしてバルチック艦隊を、日本に向かわせていた。日本としては、一刻も早く太平洋艦隊を潰滅させ、その後バルチック艦隊を迎え撃つ以外勝ち目がなかった。

そのためいかに戦略、戦術を立案するか。日本国の運命が秋山一個の頭脳にかかっていた。

われわれはここに天才をいかに生かし切るかというトップの英邁〈えいまい〉を見る。

直属上司の島村は第二艦隊に転出する。その際、後任の加藤友三郎にこう引き継ぐ。

「秋山参謀の進言は、なんでも聞いてやって欲しい。また目に余る不作法があっても、大目に見てやってくれ。あいつのような天才は他にいないのだから……」

さらに上級上司にあたる東郷平八郎長官の信頼はさらに厚い。バルチック艦隊は対馬海峡を通るのか。あるいは太平洋を迂回するのか。

対馬を予言した秋山だが、それでも悩みになやむ。その姿はうつ病患者そのものであった。

その時、秋山を支えたのが指揮官東郷。

「対馬海峡を通る!」と断じて、一片の動揺も見せなかったという。

案の定、敵は対馬海峡へ来た。この後の展開は、読者もご存じの通りである。

これまでナンバー2の任務ばかり述べてきた。もう一つ、別の視点があった。すぐれたナンバー2を生かし切るには、上がすぐれた人間性を持たねばならない。ナンバー2を全面的に支持し、信頼しきる度量の大きさを見せねばならない。

知人の社長。人材派遣業を営む。脱サラして三年で子会社六社を立ち上げた成功者である。その陰では裏切りや造反も経験した。

その社長が言う。「妻と専務のTは命に代えても私が守る。この二人の献身がなかったら、いまの私も会社もありません」

トップの大きな人間的器量がすぐれたナンバー2を育てる。